近視の有病率は世界中で劇的に増加しており、2050年までに世界人口の49.8%が近視になると推定されております。
近視の多くは小児期に発症します。
3歳~91歳の日本人約30万人を対象に近視の変化(屈折変化)を5年間追跡調査したところ、5歳以降に近視化が急速に進行しました。
6歳から大きな屈折変化を認め8歳をピークとして徐々に減少しましたが、14歳まで−1.0Dを超える大きな屈折変化を認めました。
このことから、小学生からの近視の早期予防が非常に重要であると考えます。
当院ではオルソケラトロジー・低濃度アトロピン点眼による近視抑制治療を行っています。
また、小児を対象に10年後までの視力の予測値がわかる近視進行予測シートをお渡しいたします。
上記の研究は、当院で行い英科学誌Natureの姉妹誌『Scientific Reports』に掲載されました。詳しくはこちら
オルソケラトロジーについて 低濃度アトロピン0.01%点眼薬について 近視進行予測シートについてオルソケラトロジーとは?
オルソケラトロジーとは特殊なデザインの高酸素透過性コンタクトレンズを用い角膜の形状を矯正し、視力を回復する角膜矯正療法のことです。
いままでのコンタクトレンズとは逆の使い方で、夜寝るときにレンズを装用し朝起きて外すだけで角膜の形状が変化し視力が回復します。
回復した視力は一定期間維持され、日中は裸眼でもよく見えるようになります。
装用を中止すれば角膜を元に戻すので、近視矯正手術に比べてリスクが少ないと考えられています。
角膜形状矯正の仕組み
| 夜 | 寝ている間に内側が特殊な形のレンズを約6〜8時間以上装着します。 角膜の形がレンズの内側の形に合わせて変形し、光が正常な屈折をするようになります。 |
|---|---|
| 朝 | はずしてお手入れをします。 内側の溝に汚れがたまりやすいため、しっかりと洗浄をしたほうがよいでしょう。 |
| 昼 | 裸眼で過ごします。 もし視力が落ちてきたらレンズをつけます。 |
※2〜3日視力が保つ人もいますが、基本的には毎晩装用します。
オルソケラトロジーの利点と欠点
利点
18歳未満の未成年を中心に近視の進行を抑制する効果がある
近視の抑制効果はオルソケラトロジーの大きな特徴の一つです。
一般に近視は25歳ぐらいまで進むと言われていますが、近視の進行過程にある若い人がオルソケラトロジーを装用した場合に近視の進行が抑制されたという研究報告があります。
この研究結果は専門家の間で広く認識されているため、多くの眼科医が若年者の近視治療にオルソケラトロジーを薦める根拠となっています。
これは若年者にとってのオルソケラトロジー最大のメリットとも言えるでしょう。
※ただし個人差があり、必ず効果があらわれるわけではありません
夜間装用をすれば昼間は裸眼で過ごすことができる
個人差がありますが、治療の安定期に入れば2〜3日裸眼で過ごせる人もいます。
多くのオルソケラトロジー体験者が昼間は裸眼で生活しています。
7歳~60歳くらいまでの幅広い年齢層の方が着用可能
レーシックと違って年齢による制限はあまりないです。
レンズの管理がきちんとできるようであれば特に問題はありません。
通常のハードコンタクトレンズと扱いが同じで、リスクは同程度
市販のケア用品で十分なため、特別な準備は必要ありません。
眼に対するリスクも低いと言われています。
手術ではないので、治療を止めれば角膜の形を元に戻すことができる
オルソケラトロジーは角膜の形状を変えるだけなので手術の必要はありません。
角膜を削ることもないので、治療を中止すれば自然に角膜の形状は元に戻ります。
つまり可逆性があります。
もし治療の途中で「自分に合わない」と思ったら装用を中止すればよいのです。
欠点
定期的なレンズの着用と医師の定期検診を受ける必要がある
レーシックであれば一度手術さえすればその後は良好な視力を得られることが多いですが、オルソケラトロジーはあくまで一時的に角膜の形を変えるだけなので、レンズの装用を止めれば視力は元に戻ってしまいます。
そのため定期的なレンズの装用が必要です。
また、眼に異常がないかどうか定期的に医師の診察を受ける必要があります。
強度の近視、乱視の方には使用できない場合がある
オルソケラトロジーによる視力矯正には限界があり、強度の近視や乱視の方にはお使い頂けないこともあります。
ただし角膜の形状や柔軟性でも変わってきますので、強度の近視や乱視の方は自己判断をせずに医師にご相談下さい。
装用開始初期は視力が安定しにくい
装用開始直後は視力が安定しにくいため、日によって良く見えたり見えなかったりということがあります。
これは安定期になるまで装用を続けることで改善していきます。
安定期になっても視力が不安定になる日がある
これは稀なケースですがうつぶせに寝た場合にまぶたに圧力がかかり、レンズが瞳の中心から少しズレてしまう場合があります。
オルソケラトロジーは瞳の中心にフィッティングされた時に視力が最も良く出るように設計されているため、瞳の中心からズレたまま矯正されると良好な視力を得ることができません。
これは治療の安定期になっても起こることがあり仕事で運転などをされる方は職務に支障をきたすこともあるので、そのようなケースも考えて医師に相談しましょう。
コンタクトレンズなので、『充血』『涙目』『炎症』といったレンズトラブルが起きることがある
瞳に直接接触するものなので、ハードコンタクトレンズと同程度のリスクはあります。
もし眼に痛みなどの異常を感じたらすぐに装用を中止して、医師の診察を受けてください。
無料体験実施中!
興味がある方は無料体験でレンズを1週間お試し頂くことができます。
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レンズのご説明
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診察
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取扱説明
お持ちでない方はお作りいただきます。
装用開始から1ヶ月後 → 3ヶ月後 → 3ヶ月後
体験中諸注意
体験の受付は15時までとなっております。検査料はかかります。
体験中の紛失や破損はレンズ代をご負担いただきますのでご注意下さい。
(ただし破損後ご購入される場合にはレンズ代の負担はありません。)
視力の出方には個人差があり、体験開始からしばらく十分に視力を得られなかったり、装用を中止した際にも角膜が元の状態に戻るのに数日かかる場合があります。
特に強度の方は度数が変化するのに時間がかかります。
試験中やお仕事で正確な視力が必要とされる時期はなるべく避けて体験にいらして下さい。
体験結果一例
| 体験前の裸眼視力 (近視の度数) |
1週間後裸眼視力 | ||
| 10歳 女性 |
右 | 0.2(-1.75D) | 1.2 |
| 左 | 0.2(-1.75D) | 1.2 | |
| 11歳 男性 |
右 | 0.05(-3.25D) | 1.0 |
| 左 | 0.05(-3.75D) | 1.2 | |
| 15歳 男性 |
右 | 0.8(-1.50D) | 1.2 |
| 左 | 0.4(-1.50D) | 1.2 | |
| 体験前の裸眼視力 (近視の度数) |
1週間後裸眼視力 | ||
| 15歳 男性 |
右 | 0.1(-1.75D) | 1.5 |
| 左 | 0.1(-2.00D) | 1.5 | |
| 17歳 女性 |
右 | 0.2(-1.25D) | 1.2 |
| 左 | 0.3(-1.00D) | 1.2 | |
| 21歳 男性 |
右 | 0.03(-5.00D) | 1.0 |
| 左 | 0.05(-5.00D) | 1.2 | |
オルソケラトロジーはご年齢や度数により結果に個人差があります。
よくあるご質問
- レンズはいつまでつかえますか?
- レンズの寿命は約2年となっています。
個人差がありますので定期検診をこまめに受け医師の指示に従って下さい。 - レンズが適合しない人はいますか?
- オルソケラトロジーの効果は、年齢や近視の強さなどによって異なります。
一般的には眼に疾患のある方、遠視の方、強度近視・乱視の方、強いアレルギーやドライアイの方はオルソケラトロジーで効果がでづらかったりご使用が難しかったりすることがあります。
当院ではオルソケラトロジーの無料体験を行っておりますのでご相談下さい。 - 寝たままつけて大丈夫なんですか?
- 高酸素透過性のレンズ素材で作られており、装用したまま眠ることが認められています。
ただハードコンタクトレンズと同様の合併症が起こりえます。
眼の痛み・赤み・炎症や涙目がなどがその例です。
またレンズのケアなどを怠ると角膜の擦過傷や感染などを引き起こす可能性もあります。
目の健康状態を確認するためにも定期検査をしっかり受けましょう。 - 毎日つけないといけないんですか?
- 近視の度合いやご年齢により状況はかわってきます。
毎日ご使用頂かないと効果の出ない方も週に1~3回でよい方もいます。 - 小さい子がとりあつかえますか?
-
子供でもオルソケラトロジーの治療は可能です。
近視の進行を抑制するともいわれています。
オルソケラトロジーの使用は10歳からが好ましいといわれていますが、実際のところ年齢制限はありません。
一度ご相談下さい。 - 睡眠時間が短いんですけど視力は回復しますか?
- 睡眠時間が短くレンズ装用の時間が十分にとれないときは良好な視力が得られない場合があります。
6時間は確保できた方が良いでしょう。 - レンズに慣れるのに時間はかかりますか?
- 初日は特にゴロゴロしますが徐々に慣れていきます。
涙が止まらない方や痛みが強い方は良好な効果が得られない場合があります。
詳しくは眼科医にご相談ください。
低濃度アトロピン0.01%点眼薬とは?
お子様の近視進行を抑制するための目薬
低濃度アトロピン0.01%点眼薬はシンガポールと台湾にて近視の進行を抑制する効果が約60%あると報告され、副作用もほぼないことが確認されました。
日本では大阪大学や京都府立医大眼科で追試実験が行われ効果が証明されました。
※今ある近視を改善するものではありません。
検査
屈折/矯正視力/細隙灯顕微鏡 等
定期検査スケジュール(検査は3ヶ月毎)
1ヶ月後(処方箋発行のみ) + 2ヶ月後(処方箋発行のみ) + 3ヶ月後定期検診・・・
価格
- 薬代 1,639円/1ヶ月 ※防腐剤フリーのため1ヶ月に1本つかいきりとなります。
- 診療費
- メガネ代(必要な場合)

近視進行予測シートとは?
当院では膨大な臨床データをもとに近視進行の予測シートを独自に開発しました。
岡田栄一院長が国際特許を取得済です。
小児を対象に10年後までの視力の予測値がわかる近視進行予測シートをお渡しいたします。